近頃、ダイバーシティ推進、マイノリティに目を向けよう、といったキャンペーンをよく見る気がしますが、この手の問題を議論する時につい忘れがちな点について持論を語ります。
忘れがちな点とは、「真の平等など社会に存在し得ない」という事実です。思想とかじゃなくて、事実です。こう言ってしまうと冷たく感じるかもしれませんが、その前提の上で、全体にとっての最適解を探そうというのがこの手の問題を考えるということではないでしょうか。
時々見られるのが、絶対的な平等が存在すると思い込んで、両極端な意見をぶつけ合っている光景です。パフォーマンスとして気を引くためにやってるならいいんですけど、本気でやってるとしたら、建設的とは言えない議論だと思ってしまいます。
ここから少し批判的なことも書きますが、気を悪くしないでください。どんな稚拙な意見だとしても、議論する意思があることが大切だと思います。そもそも私の意見が正しい訳ではありませんし。しかし、考え方の一つとして知っておくことは、どこかしらでプラスになると思います。
しつこいようですが、あなたが間違っているとか、私が正しいなんて全く言ってませんからね。
では、本題です。
「真の平等」を目指すのならば、集団の構成員の人生を生まれてから今まで全て吟味して、それらをじっくり時間をかけて公平に吟味する必要があります。
そんなことできますか?無理ですよね?
difficult but not impossible
も良いですが、そのレベルの議論は、それ相応のフィールドでやらないと意味がないと思いますよ。学校や会社でやってもたぶん時間の無駄です。
なんでそんな冷たいこと言うの?
と思ったあなた。恥ずかしがることはありません。子供叱るな来た道だ、老人笑うな行く道だ。誰だって最初は初心者です。
順を追って説明していきますね。
まずは、「機会の平等」について。
機会の平等とは、誰しも望めば同じ機会(挑戦権)が与えられるべきである、という考え方です。しかし世の中には、限られた人間だけが立てるステージがあります。
例えば女優さんは、容姿が良いに越したことはありません。生まれつきの顔である程度可能性が決まってしまうことは事実です。
更に言えば、一言で「容姿が良い」と言っても、そこに至るまでには色々な背景があるはずです。
・本当に、元々の才能だけで何の努力もしてこなかった人
・元も良いけど、日々のお手入れも欠かさなかった人
・お金をかけて整形した人
・親が、自分の子は可愛くあってほしいと願い、必死でイケメンのパートナーを探した人
親まで行くのはさすがに行きすぎ?
いや、そうも言い切れないと思いますよ。
何にしても、機会の平等、という一つのテーマだけでもそう簡単ではないということです。
次はもう一歩踏み込んで、人格形成の話をしましょう。親の影響はこちらの方が大きいはずです。
人格形成とは、同じ機会を与えられたとして、そこに挑戦したいと思えるかどうか、という話です。
は?そんなの自己責任でしょ?と思ったあなた。人には人の価値観がある。財をなす事が幸せ、社会的なステータスの高さが幸せのバロメータ、という価値観を押し付けることこそが問題だ、と思ったあなた。
僕もそう思います。でも、こんな例え話をしたらどうですか?また女優さんの話です。
女優さんやタレントさんは、みんながみんなキレイで可愛い訳ではありません。
少数派ではありますが、容姿が微妙な女優さんもいますよね。そう言った方々は、味のある演技、卑屈に感じさせない巧みな脇役術、バラエティでの絶妙なポジション取り、など何かしらの武器でその地位を確立しているのだと思います。
では、容姿が悪いと明らかに不利な女優の世界で頑張っていこう、と思えたのは何故でしょうか。
それは、そんな状況でも頑張り続けられるメンタルを持っていたからです。では、そんなメンタルを持つに至った経緯を考えてみましょう。
一番大きいのは、周りの人々に受け入れられて育ったことでしょう。いわゆる自己肯定感が育まれたというやつですね。
じゃあ、他者を受け入れる余裕があるのはどんな人でしょうか?金持ちですか?貧乏ですか?親は定職についていますか?働きもせず昼間から酒を飲んでいるロクでなしですか?
、、、と、さすがにやりすぎだと思いましたか?
むしろそこまで踏み込むのは本人の意思を無視していると思いますか?
でも、統計を見てください。
雑に言えば、富める者はますます富み、
貧しき者はますます貧しくなる、
そういう事です。うるさい人のために言っておきますが、相関関係と因果関係は別物です。
もちろん、人格形成に関わるのは両親だけではありません。有名私立学校、ヤンキーだらけの地元の公立校、良い先生がいるのはどちらですか?
......
......
どこまででも行けますね。
統計的にどこまで相関が認められるのか、
私は知りません。
さすがに曾祖父母までは行かないと信じています。
めんどくさくなってきたのでこの辺でお開きにしましょう。
色々言いましたが、一番大事なのはポジションを取ることだと思います。
考え出すとわからなくなってきますが、それでも自分の意見を持つことが大切だと思います。
みなさん、頑張ってください。僕は逃げます。